くすりの正しい豆知識
○指示時間の誤解にも注意しよう
●起床時:
起きてすぐ。胃がからっぽのほうが吸収がよくなる骨粗鬆症治療薬など。
●食前:
食事の30分くらい前。胃酸や食べ物の影響をうけないので、くすりの吸収ははやまりますが、胃に刺激を与えやすいです。胃薬、食欲増進剤など。
●食直前:
食事のすぐ前。血糖コントロールのための糖尿病治療薬など
●食直後:
食事のすぐあと。食直前と同様、血糖コントロールのための糖尿病治療薬など。
●食後:
食事の30分くらいあと。胃にたべものが残っており、胃粘膜をあまり傷つけない状態。「食事のあと」ということで、飲み忘れを防ぎやすいです。
●就寝間:
午後9~10時くらいが目安で、少なくとも寝る20~30分位前。
催眠鎮静薬、ぜんそく発作を抑えるくすり、翌朝の便通を促す下剤など。
●食間:
食事を終えてから2~3時間後が目安になります。食間に飲むくすりとしては、吸収されにくく、胃粘膜を傷つきにくい特徴を持つ漢方薬やからっぽの胃が胃酸で刺激されるのを防ぐ胃潰瘍のくすりなどが代表的なものです。
○「頓服薬」はいつ飲むの
頓服薬は、解熱鎮痛剤薬、狭心症治療薬など、必要に応じて使うくすりです。痛みや熱、発作が起こったときに服用し、症状が治れば飲む必要がなくなります。頓服薬は、1回の服用から次ぎに飲むときまで、6時間以上間隔をあけるのが基本です。
○くすりを飲み忘れるときは、どうすればいい?
1日1回服用のくすり:
気がついたときに1回分を飲みます。ただし、次回の服用まで8時間以下の場合は、その回は飲まないようにするか、気づいた時点で飲んで次回の服用を8時間以上あけます。
1日2回服用のくすり:
通常、1回分をとばし、次回の服用時に飲みます。
1日3回服用のくすり:
通常、1回分をとばし、次回の服用時に飲みます。
どの場合も次回に飲む量は1回分が基本です。2倍量飲むのは危険です。
○くすりはどこに保管すればいいの?
くすりの劣化に影響を与えるおもな原因は、光、高温、湿気の3つ。よって、直射日光にあたらず、涼しく、湿気がこもらない場所に保管するのが基本です。カビや雑菌、温度の影響を受けやすい液剤、シロップ剤、坐剤は、冷蔵庫の保管が基本となります。点眼剤のうち、「冷所保存」「10℃以下」などの指示を受けたものも、冷蔵庫で保管します。
○くすりは何といっしょに飲むといい?
錠剤、カプセル剤などの内服薬は、常温の水(水道水でいい)か、ぬるめの白湯(さゆ)で飲むのが基本です。常温の水で飲むと、くすりの吸収がスムーズに進み、効き目を発揮させやすいのです。胃腸の弱い人は、胃腸の弱い人は、胃腸への負担を減らすため、ぬるめの白湯(体温くらいの温度)で飲むのもいいです。ただし、アルカリイオン水は、水そのものに効能成分が認められる水のため、くすりを飲む水に向かないので注意しましょう。
また、水や白湯では飲みにくいからといって、お茶やコーヒー、ジュースや牛乳などで飲むのはよくありません。
○錠剤が飲みにくい時は、砕いてもいいの?
錠剤やカプセル剤には、通常、くすりがスムーズに効果を発揮するよう特別なコーティング(加工)が施されています。そのため、くすりはそのままの形で飲むのが基本です。形を変えて飲むと、効果を高めるためのコーティングの意図が生かされなかったり、副作用が出たりすることがあります。
○お酒がくすりの効き目を変えるって本当?
お酒とくすりの影響関係には、お酒の血行促進作用と中枢神経抑制作用(精神・運動機能を低下させる作用)が深く関わっています。血行がよくなることで、くすりの血中濃度が上昇して作用が強くなりすぎたり、中枢神経を抑制する作用がくすりの同じ作用とあいまって増強されたりするのです。とくに危険なのは、催眠鎮静薬、抗うつ薬、抗精神病薬など、眠りや心の病気のくすりです。